プリンセスの系譜 / 桜木はな

本の感想, 作者名 さ行桜木はな

革命の嵐が吹き荒れるフランスで零落した男爵家ボーモン家。男爵の次女アテネーは彼女を迎えに来た謎の軍人から自身が前フランス国王の隠し子であることを告げられ、家族の身の安全と引き替えに第一王女マリー・テレーズの身代わりとしてウィーンにいくように告げられる。

おお、清く正しい少女小説ロマンス!

ホワイトハートの新人賞受賞作品。「出生の秘密」「身代わりの王女様」「政略結婚」「幼い頃の約束」「謎の仮面男(きっとイケメン)」とかこのあたりのキーワードに反応するのであれば読んで損はないのではないかと思われます。実際に、このあたりのキーワードに反応して読んだんですが楽しめました。
時代的にはちょうどスカーレットピンパーネルあたりです(この基準で考えるのは正直どうかと思いますが私の中では非常にわかりやすいんだ……)。マダムギロチンとかガチであのあたり。マリー・テレーズって本当にいろいろ苦労してるんだなぁとさっき調べて(wikipedia)感心してしまいました。

ストーリー展開自体は上記キーワードの通りなので特段コメントは差し控えておこうと思うのですが、途中の「ダメだ、寝るんじゃない!」のところはちょっと右斜め上の展開だったので笑いました……ロマンチックな場面のはずなのに!ごめんなさい。ヒロインが女性陣にいじめられている以外は特に苦労していないのがちょっと物足りないぞと思わなくもないですが、メインはたぶんそこらへんではないんので問題ないと思います。
そして、何も深読みせずに読んでる読者なので、オチの部分は一部おおっ!と思いました。序盤から予想が付いたと言えば付いたことなんですが、一部予想外でして。ハッピーエンドはいいものです。

次は18世紀初頭のウィーンが舞台……マリア・テレジアの若い頃?よりもうちょっと前ですね。どんなのか楽しみです。

imgプリンセスの系譜
桜木はな/秋咲りお
講談社X文庫ホワイトハート(2010.12)
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