夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶 / 多崎礼

本の感想, お気に入り, 作者名 た行多崎礼

翠輝晶の紡ぐ物語は、地方領主の娘アイナが嫁ぎ先で愛され、そして最愛の夫と共に生きた物語。蒼輝晶の物語は、幼い頃から続く絆を胸に、女性騎士と生きるある騎士の物語。

たいへん すばらしい もえでした!(恍惚)

デビュー作を彷彿とさせる多崎さんの新作三部作第1巻。『彩輝晶』に込められた「叶うことのなかった夢」の物語が一話ずつ語られていく、という第1巻は「翠輝晶」と「蒼輝晶」の物語の二話収録。

一話目はアイナとその夫オープの物語。このふたりが心を通わせ、そしてふたりで生きていく姿が非常によかったです。最後の最後も、本当にかっこよくて……。ふたりが生きた物語なんだなぁと思いました。
二話目は流民出身のアーディンと彼の幼なじみである領主の娘イズガータの物語。ふらふらとしているように見えて、一本筋が通っているアーディンのかっこいいこと。そしてイズガータの男前なこと!私、二話目のラストで一緒にお酒のみたくなった……。一話目と二話目がぴしっと綺麗につながるところにも思わず興奮してしまいましたが、あのあとどう物語が展開していくのか、続いての2巻・3巻がとても気になります。
2巻の「復讐譚」の主人公は……、後書きからするにあの方なのかしら?と思ったり。

「もえ」という言葉で片付けてはいけないことは重々承知なのですが、いろいろツボすぎて何を書けばいいのか分からないのでもう心の赴くままに感想の出だしを書いてやる!と思った結果、上記のようになりました、申し訳ありません。でも、少女小説ズキーで「地方から嫁いだ娘の奮闘記」「嫁ぎ先がおもしろい」「女性騎士」「身分を隠して」「いつも近くで見守って」などなど、並べただけで涎が出そうな単語がてんこもりなので、これら単語に反応するのなら、読んで損はないと思います。

img夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶
多崎礼/天野英
C-Novels Fantasia(2010.09)
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