悠久の姫君~宿星は乙女を誘う~ / 矢吹ましろ

本の感想, 作者名 や~わ行・他矢吹ましろ

捨て子だった明凛は、拾われたときに唯一持っていた手がかりから自身の出自を知るため、文官を目指し科挙に挑む。しかし、明凛が振り分けられた試験会場は、通常の科挙ではなく「仙人」を選ぶための科挙という。会場で知り合った受験者たちは一筋縄ではいかない青年ばかりで……

明凛の根性が面白かったです。

なんちゃって中国ファンタジーで、題材が科挙ということで面白そうだなぁと思って読んでみた作品。なぜか「科挙を受ける資格」と共に捨てられていた明凛が持ち前の根性で科挙の本試に挑んだものはいいものの、彼女が想像していた科挙とはだいぶ違った上に、同室となる青年はイヤミなのと騒がしいのとで、更に試験中にトラブルは起きるわでどうしてくれよう!というお話でした。

いろんな味のある男性陣が出てくるんですが、うーん、どの方も(個人的に)あと一歩でちょっと残念。特に龍苑さん……、うん、気持ちはわかるけどもうちょっと落ち着け。ヒロインの試験にかける情熱が面白かったので、そのあたりは楽しめたんですが、終盤の展開が少し早すぎたのがもったいないかなぁ。

img悠久の姫君~宿星は乙女を誘う~
矢吹ましろ/風都ノリ
一迅社アイリス文庫(2012.01)
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