東方妖遊記 王への決意と第八の挑戦 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

楓牙らの活躍で、鬼方との戦いで一時劣勢であった殷はもりかえしていたが、晄はなかなか終わらない戦に心を痛めていた。早く戦を終わらせるために鬼方の王の元に単身乗り込んだ晄は、争いのない世の中のために王になることを決意する。一方、晄の中の共工の気を封じ込めるために呪具づくりに励む舜は、体の不調を感じていた。

おにいちゃん!

晄ちゃんの決意と兄弟愛のお話のシリーズ第8巻。表紙の晄の指がちゃんと8を指していて、お兄ちゃんがストーリー通りに苦悩していて、そして今回の秘密アイテム五色の玉も描かれていて、うぉっといつもながらに感心してしまいました。

そこらへんはさておき、今回はクライマックスに向けての準備編。敵役のアレコレとの派手な対決はなく、五色の玉を集めるためのRPG的展開+人間と妖との因縁が明かされました。真実を知り、そして理想のために決意した晄がかっこよかったです。そして過保護なお兄ちゃんの弟からの卒業が……こういうのに弱いので涙腺崩壊寸前でした。お兄ちゃん、いいお兄ちゃんだなぁ!

シリーズは晄の指が10本立つまで、ということであと2冊。晄はどんな王になるのか、そして王子さまとお姉ちゃんがどうなるのかと最後まで楽しみです。

img東方妖遊記 王への決意と第八の挑戦
村田栞/伊藤明十
角川ビーンズ文庫(2012.02)
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