光の楽園II 公爵夫人エデレイド/ 涼原みなと

本の感想, お気に入り, 作者名 さ行涼原みなと

由緒はあるがお金はない子爵令嬢エデレイドは、成金の御曹司との結婚話を回避すべく、一攫千金を目指して競馬場に向かい、そこで「黒旺号」に魅了される。そして、競馬場で夢敗れたエデレイドには、成金との縁組に変わりなぜか名門でしかも黒旺号の馬主のアンブロージオ侯爵との結婚話が用意されていた。政略結婚と納得ずくで嫁ぐことになったエデレイドは、侯爵が黒旺号を売ってしまったことを知り、侯爵に借金をして黒旺号を買い戻し、その借金を返すために身分を隠して騎手として黒旺号とレースを挑むことになってしまう。

エデレイドの前向きさが清々しかった!

みりおんぐらむさんが「面白いよっ」とおすすめされているのを見て読み始めたシリーズなんですが、たしかに面白かったです。馬に魅せられた女の子が嫁ぎ先でダンナさん放置して(というかむしろ放置されて)、国内最高峰のレースに挑むお話でした。
エデレイドの逞しさというか、前向きさがとても素敵でよかったです。一緒にレースに挑んでいくチーム黒旺号のみんなも味があってよかったなぁ。エデレイドが黒旺号の信頼を得て、そしてみんなで一つ一つ乗り越えていく様子にすごくワクワクしました。競馬関係は全く詳しくないんですが、とても面白かったなぁ。

そして、お互いに放置され、放置しているとはいえ、エデレイドと侯爵の歳の差カップルの様子も素敵でしたねぇ。この二人は本当に大丈夫だろうか(物語の雰囲気的に多分うまくいくのだろうけど)というヤキモキを少々抱えながら、徐々に距離が縮まっていくところがよいものでした。確実にエデレイドに感化されていく侯爵の様子が!そして、ダメ男をほうっておけないタイプのエデレイドの乙女心も良いものでした。

前巻の破戒僧君もちらりと出てこれられたのにニヤリとしてり(嫌いになれないタイプです)(前巻読んでなくても問題なく読めると思います)、裏で蠢く陰謀関係が少し語られたりと、本伝への準備は確実に進んでいる模様です。次は騎士様のボーイ・ミーツ・ガールということでとても楽しみにしています。

光の楽園Ⅱ - 侯爵夫人エデレイド (C・NOVELSファンタジア) 光の楽園II 公爵夫人エデレイド
涼原みなと/岩崎美奈子
C-Novels Fantasia(2011.10)
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