(仮)花嫁のやんごとなき事情12~結婚できたら大団円!~ / 夕鷺かのう

本の感想, お気に入り, 作者名 や~わ行・他夕鷺かのう

無事クロウと離婚を成立させたフェルは孤児院に戻り、1年近くの時間が経過していた。身代わり花嫁の報酬として商路建設事業の仕事に関わることになったフェルは、事業に反対している南方諸国との会談のユナイア使節団に同行することになったフェルは、クルヴァッハの使節団を率いているクロウと再会する。

完全無欠の大団円でごちそうさまでした!

前巻で妖精王関連の事件については一応の決着にたどり着いたため、今回はまさにタイトル通りの「結婚できたら大団円」のお話でした。外堀を埋める元旦那様、さすがなだぁ(笑)。本巻だけで何回も振られていて一瞬可哀想になりましたが、それを含めて「(仮)花嫁」の醍醐味ということで。元嫁の庶民パワーも相変わらずのパワフルさで、さすがのヒロインとこちらも感心してしまいました。

フェルの心情的なもやもやや、出自などもきれいさっぱり整理して、そして辿り着いたゴールに旦那様の執念を見ました。最後の最後(とは行かなくても、全体的に)オールキャスト勢揃いで良いボーナストラックだなぁと思っていたところに、追加であと1冊短編集がでるとのこと。(最近の少女小説界の世知辛さを考えると)大団円にたどり着いたらそれで満足なのに、さらに後日談が読めるとは本当にうれしいことです……。ラのお兄ちゃんからクロウへの引き継ぎは、あれなのかなぁとかいろいろ妄想しつつ、そのあたりも明かされると非常に嬉しいのですが残り一冊も楽しみにお待ちしております。

(仮)花嫁のやんごとなき事情12~結婚できたら大団円!~
夕鷺かのう/山下ナナオ
ビーズログ文庫(2016.08)
amazon/honto/BOOKWALKER