女神と棺の手帳 星空に誓う再会 / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

医師になるために勉強に励むケイトだが、女という理由で必須科目であるはずの解剖実習で助手にまわされてしまう。怒りを押さえて実習の補助をするケイトは、実習中に検体の胃から出てきた謎の鍵を遺族の家族に届けるために、リオとともに服飾の町エセルヒルに向かう。

リオくんが良い人すぎて泣ける。

初の女性医師を目指すケイトと彼女を見守る軍人イーノットの歳の差ラブ(コメ?)3冊目。今回はケイトの強力な味方にかっこいい女性デザイナーさん!とくればこの展開しかないでしょうという展開に満足でございます。ケイトとイーノットのあれやこれやらが予想通りで、その予想通りなのすら憎らしい、と思う程度に良い少女小説でした。そんなケイトとイーノットのやりとりにイライラするリオくんがこれまたいいやつでねぇ。ケイトの暴走に付き合ってくれる良き理解者で良い友人で仄かな恋心って、美味しすぎるでしょうリオくん。

男尊女卑もいいところなので、ケイトに対する大学での仕打ちに読みながらむかっとしたり(最後で報われる展開になることはわかっていますが)、ケイトさーん、そんなわざわざ事件に首突っ込まなくても!と思わなくもなかったり、なんかこの軍部がザルすぎると引っかかるところは多々あるのですが、イーノットさんの苦悩が面白いのでまあいろいろ差し引きで。そして、今巻の最後の一文が非常に不吉なんですが、続きはどうなるんでしょうね。

女神と棺の手帳 星空に誓う再会
文野あかね/高星麻子
角川ビーンズ文庫(2013.05)
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