白桜四神 男子寄宿舎で二者択一! / 伊藤たつき

本の感想, 作者名 あ行伊藤たつき

性別を偽ってなんとか白虎家の跡取りとしてのお披露目を終えた白桜こと里桜だが、今度は官吏になるための全寮制の大学寮に入ることになる。さらに、見合い話を断る口実に青丞が漏らした一言から、里桜と青丞との縁談まで浮上し、休暇で戻った白虎家では里桜は青丞に嫌われるべくがさつな姫(ただし、限りなく地)を演じることにもなってしまう。大学寮で、そして白虎家で里桜の奮闘は続くが……

なんでこれでばれないかな!(これが醍醐味です)

お家断絶を阻止すべく、田舎育ちのお姫さんが男装して奮闘するなんちゃって平安っぽい世界で繰り広げられる、汗と涙の物語第2段。1巻目では祭事を取り仕切るためにライバルたちと共同生活、でしたが今回はお勉強のために大学で共同生活です。ライバル3人中2人と同室、あーんなイベントやこーんなイベントを経てもまだ「白桜」が女の子だと気づかないとは、青丞の鈍さが、鈍さが……いっそ清々しい。いやもしかしたら実は、とかいう展開のほのめかしもないので、多分気づいてないんだろうなぁ……。

話の端々で、ええそれでいいの!と突っ込みたくなるといいますか、甘いなぁと思うところがあるのですがその辺りを突っ込むのは野暮というものでしょう。デレたお祖父様、青丞のかっこ良さと優しさ、玄武の彼の真っ直ぐさ、そして待ってました!の姫君・里桜と青丞のアレコレといろいろ美味しいなぁと思いながらも、もうちょっとガツンと欲しいなぁと思うのも事実で……。真相を知った時の青丞さんの反応が見てみたいので、もう少し読みます。

白桜四神 男子寄宿舎で二者択一!
伊藤たつき/硝音あや
角川ビーンズ文庫(2013.07)
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