ひみつの陰陽師3 みっつ、三日夜の餅をあなたと / 藍川竜樹

本の感想, 作者名 あ行藍川竜樹

中級貴族から、姫君の周囲で巻き起こる怪異を解決して欲しいという依頼を受けて屋敷を訪れた玲雅と真澄だが、当の幸世姫は怪異をそれほど気にしておらず、姫君付きの女房に邪険にされるしまつ。このままでは引き下がれないと闘士を燃やす玲雅は邸に泊まりこんで対策を練る。そんな中、幸世の縁談の相手として邸を訪れたのは、玲雅の上司右近であった。

恋する力は強し。

タイトル見て、まさか玲雅と真澄がっ!と妙な期待をしましたが、なんのことはなくゲストキャラのお話だったという「わかってましたがな……」の展開だったものの、今回も面白かった男装陰陽師シリーズ3冊目。玲雅の真澄に対する思いにのぞき魔さんや女房さんたちとニヤニヤすることは必死の一冊でした。玲雅と真澄のあれやこれやをニヤニヤと見守り隊の構成人員が、着実に増えてる気がする……。

それはさておき、今回のゲストキャラと次回以降にもがっつり登場しそうな真澄の従兄、賀茂本家の面々。従兄以外にもおばさまもなかなか剛気そうで、ちょっと楽しみやもしれません。楽しみと言えばですね、玲雅が賀茂家の当主にむかむかすることは多分確実で!うわーこれはーたのしみー。
発破をかける玲雅がいつもとは少し違って妙にかっこよかったり(でもやっぱり変だけど)、玲雅の上司は相変わらず突っ走って面白いし(玲雅にいいように扱われているけど)、ゲストキャラの恋物語も良いものだったし、何やら玲雅と因縁のある敵役登場らしく続きも気になったりと、盛り上がってまいりました。完結してるし、これは安心して読めるなぁ……!

ひみつの陰陽師3 みっつ、三日夜の餅をあなたと
藍川竜樹/みずのもと
集英社コバルト文庫(2012.04)
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