珠華杏林医治伝~乙女の大志は未来を癒やす~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

医師である父が残した医院を一人守っている珠里だが、女性は医師免許を取れないなれない決まりの中、ほそぼそと育てた薬草を他の医師に売ることで生計を立てていた。ある日、珠里は皇帝からの呼び出しを受け、男性医師の診察を拒否している皇太后の診察を依頼される。

ツンデレ公主様がよいものだった……

小田さんの久しぶり?のコバルト作品。なんと中華モノははじめてとのことです。小田さん、中華モノなかったんだ、とちょっとびっくりしていました(なんとなくすでにあったような気がしていた)。

女性が医師になれない中、皇帝の依頼で皇太后の病を治すために奮闘する珠里が女性が医療に関わることを苦々しく思う一部の男性医師の嫌がらせに負けず、皇太后の病の原因を探り、自分の道を切り開いていくというお話で、頑張る女の子は良いなぁという物語でした。中華モノでこの表紙なのでほのかに恋愛方面でもそれなりに進展があるんだろうかと思っていたんですが、そこよりもツンデレ公主様と珠里の女の子の友情物語のほうが楽しくてワクワクしてしまうという、主役二人以外のところに目が行く展開でしたね……素直になれない破天荒な実は優しい公主様、おいしい……。
最後の最後の主役二人の今後にどうやって至ったのかがすごく気になるので続きも出てるようだし読もうと思っていたんですが、2巻はどうやら次世代のお話だしくて二人がどうやってここにたどり着いたのかは謎のままかもしれません。ただし、謎は謎なままでもそれはそれでおいしいので、2巻目も楽しみ。

珠華杏林医治伝~乙女の大志は未来を癒やす~
小田菜摘/雲屋ゆきお
集英社コバルト文庫(2017.12)
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