紫陽花茶房へようこそ~ふたりのための英国式魔法茶~ / かたやま和華

本の感想, 作者名 か行かたやま和華

女学生の月子は縁あって銀座の路地裏にひっそり佇む洋館にある「紫陽花茶房」で放課後アルバイトに勤しんでいる。茶房のオーナーはイギリス伯爵家の御曹司で母親が日本人の紫音(自称魔女の孫)。紫音は店にやってくる訳ありの客達を夜のお茶会に誘い、魔法のお茶を振る舞っていき……

北斎(猫)がかわいい。

モダンな女学生、がとてもかわいらしい一話完結型の読み切り3本で語られる「紫陽花茶房」でのちょっと不思議な物語、面白かったです。
つかみ所のない、どちらかといわなくても脱力系の紫音が面白いなぁ、月子ちゃんかわいいなぁ、北斎いい味だしてるなぁ、女学生さんいいなぁといろいろほわほわしながら読んでいました。紫音の「魔女の孫」発言はネタかと思っていたんですが、ネタじゃなかった(笑)。物語に混ぜ込まれた「ちょっと不思議」なところが、これまたいい。魔法のお茶の奇跡の中でも一番ええわぁ、と思ったのはやっぱり二作目の女学生さんでして。いやー、ああいうお嬢様はよいものなのです。

月子ちゃんと紫音の出会いもさらっと語られているのですが、もうちょっと詳しく知りたいなぁと思ったり、紫音が月子にべた惚れみたいなのでその辺りの理由をもうちょっと!と思っているので近々出る続編も楽しみです。

紫陽花茶房へようこそ~ふたりのための英国式魔法茶~
かたやま和華
集英社コバルト文庫(2013.11)
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