剣姫のふしだらな王子 / 斉藤百伽

本の感想, お気に入り, 作者名 さ行斉藤百伽

リーフェス公爵の孫娘ラティカは鍛錬に勤しむ毎日を送り、将来の夢は戦士の一族であるニーダの戦士と公言していた。そんな娘に頭を痛めた父親の友人の紹介で、ラティカは弟と王位を争う第一王子レオニスの護衛を務めることになる。レオニスが無事王位に着くことができればニーダの戦士に、そうでなければおとなしく公爵令嬢として結婚という条件を飲んだラティカはレオニスに発破をかけるが、レオニスの1日の主な居場所はベッドの上という大層な怠け者だった。

ヒロインが武士(笑)、面白かったー。

ルルル文庫の激アマ読み切りの一冊。読み切りばかりじゃ寂しいなぁと思いつつも、まあ面白かったので結果オーライです。幼いころ誘拐されたことから身を守るために始めた鍛錬で思わぬ才能を発揮した上に伝説の剣を引き抜いてしまったラティカ。戦士になるために護衛を引き受けたものの、当の王子さまはグータラ対象で、さらにラティカに色目を使ってくる始末。なんとか王子をベッドから引きずり出そうとするラティカだが、レオニスはだらだらしているように見えてベッドの上でもきちんと政務を執り行うというちぐはぐさがあって……という、お話。レオニスがぐーたらしている理由や、ラティカが護衛に選ばれた理由などなるほどなー、と楽しく読んでおりました。

ドタバタラブコメなので、もちろん最初からくすっと笑えるところが多くて面白いのですが(少ししか語られていないものの、入婿で肩身の狭いラティカ父の心の叫びも面白い)、ラティカがとある人と共同戦線をはったところからぐっと面白くなったように思います、アホさ加減が(笑)。こういうアホなノリは好きなので、また他の作品も読んでみたいです。

剣姫のふしだらな王子
斉藤百伽/凪かすみ
小学館ルルル文庫(2015.02)
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