孤独な森のひきこもり魔女、王太子妃として溺愛される / 夕鷺かのう

本の感想, 作者名 や~わ行・他夕鷺かのう

ご先祖様が王室に対して腹いせにかけたといわれる呪いのせいで肩身の狭い思いをしながら樹海の片隅に引きこもっている魔女のラケシスは、街で王太子のアレンを偶然助けてしまう。助けてもらったお礼という名目でアレンより王宮に招待されたラケシスは、そのまま王宮で暮らすことになってしまう。

よいモフモフ分が補充できました。

サクッと読める軽めのラブコメで楽しかったです。引きこもりの魔女が品行方正な王太子の鏡のような王子様にぐいぐいこられて、逃げようとするも全く逃げられなかったお話。反魔女関連については少々ダークな部分もありつつも、ダークとはいっても今回の山場はまさかのモフモフな展開であまり重たくもなく、起きている事件は(ヒロインとしては)一大事であり悪役(ポジション)の人は頑張っているんですがなにぶんすべてモフモフなので緊迫感がなく、これはこれで(読んでいてほっこりするので)いいな……というクライマックスでよいものでした。私も混ざりたい。

アレンに惹かれてはいくものの、呪いの影響もあるので自分から身を引こうとするラケシスの健気さは良いものですし、王子様の見本のようなアレンが(黒歴史もあり)結構フランクなところのギャップもよいもので、総じて楽しい一冊でした。モフモフもよかった。一つ不満があるとすれば、タイトルまで行ってないぞ?というところですかね……。

孤独な森のひきこもり魔女、王太子妃として溺愛される
夕鷺かのう/祀花よう子
ビーズログ文庫(2022.09)
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