なりゆき斎王の入内9~比翼の鳥は和を調ぶ~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

三条女御に呪詛を仕掛けた犯人に仕立て上げられかけた塔子は、混乱に乗じて熊野に戻る。騒ぎを収めて塔子がすぐに戻れるようにするという明槻の言葉を信じ、塔子は熊野で日々を過ごす。塔子を呼び戻す決定打にかける明槻だったが、都で疫病が流行り始め、事態を収集するために塔子を呼び戻すべきという意見がでてくる。

一番綺麗な着地点にたどり着いたなぁというような最終巻でした。

シリーズ9冊目で最終巻。前巻はどんな感想書いたかな、とログを覗いてみたら感想書いてなかった……んですけど最終巻。大きな事件が起きる、というよりは前巻から引き続きの事件の挽回と、そして塔子が無事に明槻に嫁ぐまでの「最後のまとめ」で大団円のお話でした。結局塔子を陥れようとした女御関係はふわっとなんとなくうやむやで、他人を陥れることなく正攻法で進んでいく主人公カップルが最後にあるべき場所にたどり着くというのはやっぱり読んでいて気持ちいいものでした。
あとはチョイ役ながらも色んな人にちょこっとずつ出番があったのが楽しかったかな。非常に頼りがいのある青年に成長していた三ノ宮のあの残念っぷりが楽しかったです。

最後の最後にタイトル通りの「入内」にたどり着いた塔子と、塔子と出会うことで進むべき道を迷いなく進んでいった明槻の二人の絶妙なコンビネーションがよい物語でした。

なりゆき斎王の入内9~比翼の鳥は和を調ぶ~
小田菜摘/凪かすみ
ビーズログ文庫(2016.11)
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