こちら黒宮警備、オカルト対策班 / 八巻にのは

本の感想, お気に入り, 作者名 や~わ行・他八巻にのは

柔道の元日本代表であったが、持ち前の超絶男運の悪さから巻き込まれたトラブルによりその座を退いた凛子は借金返済と学費のためにバイトと学業に勤しむ毎日を送っていた。凛子が掛け持ちするバイトの中でも一番待遇の良い黒宮警備で、特殊な案件を担当する裏四号警備部の黒宮七々瀬から彼の部署にスカウトされた凛子は、七々瀬の相棒としていわくつきの案件の処理に向かうことになる。

かっこよくてたのもしい凛子ちゃん(物理的にも強い)と、ずれてる七々瀬(本人は本気)のやり取りが楽しかった。

あまり怖くないオカルトモノ[1]ホラー的なものノーサンキューな私でも全く問題なく読めるレベル前作の旅行代理店のお話のスピンオフ的な立ち位置で、なんと最後のお話に前作の二人がゲストとしてガッツリ登場されてました。相変わらず社長はひどかった(楽しい)。

男運の悪いヒロイン(あまりにもろくな目にあってないのでイケメンが苦手)が、霊に親和性のある体質を見込まれてスカウトされて、イケメンとバディを組むお話なんですけど、このイケメンがねぇ……ただの「言葉の選択を間違っているため本人真面目なのにコメディ化してしまう人」だと思ってたんですが、そうじゃなかった。そうじゃなかったんだ……という過去のアレコレが非常に良いものでした、いいものでした……。最後の方まで読むと七々瀬が凛子の選手時代のファンだったというところから考えて、凛子が遠征先でなんとか巡り会えた日本語の通じる医者はたぶん七々瀬だし、凛子は全く気づいてないけど七々瀬はどストレートに発言してるだけだし(念の為ネタバレ対応で反転)など、空気読んでない七々瀬の発言の真意を凛子が知ったときの彼女の反応がめちゃくちゃ気になるので続きを読みたいです!

とかなり楽しんだので、続きでないかなぁと期待しておきます。これだけいいネタばらまかれてるので、ぜひとも回収していただきたい……。

こちら黒宮警備、オカルト対策班
八巻にのは/双葉はづき
富士見L文庫(2020.08)
amazon/honto/BOOKWALKER

References

1 ホラー的なものノーサンキューな私でも全く問題なく読めるレベル