ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバー・アフター / 暁佳奈
見事な最終巻でした。よかった!
アニメ版の完結編である劇場版[1] … Continue readingと合わせての小説版の一冊で、本編上下巻におまけの外伝で終わりと思わせて、物語として語られるヴァイオレットの本当に最後のお話、とても良かったです。
映画とはパラレルワールドというか、ヴァイオレット含めてみんな少しずつ違うところがあって(特に一番の違いはギルベルト)、個人的には小説版のヴァイオレットとギルベルトのほうが好きかな、とつらつらと思いながら読んでました。もちろんアニメ版はアニメ版で素晴らしいんですが。アニメ版のギルベルトは行方不明だったからなぁ……小説版のほうがかっこいい(笑)。いや、アニメ版もあの結末をみるととても素晴らしいものがあるので、それはそれ、これはこれで両方楽しめるというのはある意味素晴らしい。そんな中で、ギルベルト兄(ディートフリート)は、小説版もアニメ版も一貫して面倒くさくて、弟が大好きで、なんのかんのでいいところ持っていくのでい いいお兄ちゃんだな、と再確認してしまいました。ギルベルトがこじれてるの、この人のせいでもあるんですけど……。
自動手記人形としての仕事を始めた初期段階から請け負っていた定期的な仕事の関係で、ヴァイオレットが定期的に訪れる街で馴染みにしていた船頭を通じてヴァイオレットの成長の様子が語られ、そしてその船頭も一歩をようやく踏み出すという「薔薇と自動手記人形」、ディートフリートがやっぱり弟大好きで、ヴァイオレットのことも心配しているというわかりにくい優しさがわかってしまう「夜と自動手記人形」、C・H郵便社の主要メンバーと共にパジャマパーティーを開くことになってしまったヴァイオレットが可愛かった「旅と自動手記人形」、ただのうれし恥ずかしラブレターのやりとりをひたすら読むという身悶えタイムかと思えばだんだん不穏な空気が流れてきてこれどうするの!とウズウズしてしまった「親愛なる貴方と自動手記人形」、そして最後の最後、夢を追う少女とともに、自分の夢をようやく見つけたヴァイオレットの物語「夢追い人と自動手記人形」とどれもこれもいいお話だった……。ヴァイオレットが見つけた夢がとても素敵で、ヴァイオレットらしいなぁとほっこりしてしまいました。
中盤以降は終始ホッジス社長とともに「ヴァイオレットちゃーん」(ヴァイオレットの名前にはすべて濁点つけて呼びかけたい気分)、と彼女を応援し続けるという読書スタイルになっておりましたが、なにはともあれ、最後の物語として最上のエンドマークを見ることができてよかったです。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバー・アフター
暁佳奈/高瀬亜貴子
KAエスマ文庫(2020.04)
【京アニショップ】
References
↑1 | 万障お繰り合わせの上見ました!劇場で見るの半分諦めてたので見られて良かったです。そしてそのついでに原作最終巻(本巻)を確保して帰路についたのでした。 |