ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 / 暁佳奈

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行暁佳奈

ドロッセル王国のシャルロッテ王女とフリューゲル王国のダミアン王子の結婚に先立ち、ドロッセルの伝統に則り二人の「公開恋文」が取り交わされることになる。シャルロッテ側の代筆人として仕事を受けたヴァイオレットは、シャルロッテの不安を取り除くために代筆以上のサービスと申し出る(王女と自動手記人形)

C・H郵便社が最強だ、というお話でした(最終話)

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの外伝は、ヴァイオレットが受けた仕事のお話が2つ、ヴァイオレットの(自称)兄貴分・ベネディクトのお話、ヴァイオレットの同僚で友人のカトレアのお話、ギルベルトとホッジンズの士官学校での出会いのお話、そしてC・H郵便社の一番長い日のお話と色んな人にスポットライトがあたった1冊でした。

ヴェネディクトのお話では、もしかしたらヴェネディクトとヴァイオレットに過去関係があるのでは?というような可能性も読み取れるようなお話で、この「もしかしたら」という含みがある部分がとても良いなぁと思いました。もしそうならヴァイオレット最強伝説の理由にもなりうるし、なるほどなぁ、と。読み手側でそうかも、と想像できるのが楽しいです。

王女様の恋文も好きな話なのですが、一番おもしろかったは最後のC・H郵便社とライバル社の攻防。まるでマフィアの抗争ではないかこれは……(面白かった)。おかしい、コメディではないはずなのに妙に笑える、と思わせておいて最後のヴァイオレットとギルベルトのやり取りがなんというか、破壊力がすごかったです!

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝
暁佳奈/高瀬亜貴子
KAエスマ文庫(2018.04)
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