ミミズクと夜の王 / 紅玉いづき

本の感想, 作者名 か行紅玉いづき

魔物の住まう森に食べてもらうためにやってきたミミズクは、夜の王フクロウに出会う。死にたがりの少女と人間嫌いの夜の王、そして人の国の王や騎士達が織りなす物語。


ライトノベルサイト杯2007年上半期 新作・新人部門』の上位作品、そして(だいぶ前になるのですが)メールでオススメ頂いた作品をようやく読みました。たしかに、これは良い作品ですね。

面白い、というのとはちょっと違うんですよね。”いい”お話なのです。読んだあと、何となくやさしくなれる物語。序盤の若干ピントのずれたミミズクちゃんの言動についていけないかも……と少々危惧を抱いてしまったのですが、読み進めていくうちにそんなこと気にならなくなりました。最初はなめてかかっていたので(笑)中盤以降にページをめくる手が止まらなくなったときはやられたっ!と思ってしまいました。

あっと驚く展開はないんですが、それでもミミズクとフクロウ、そしてクロちゃんのなんとも言い難いお互い微妙な距離感、そして王様や王子様、聖騎士様にその奥方とそれぞれみんないいなぁと思える(バックグラウンドはヘビーでも)最後には優しいなぁ、読めて良かったなぁ物語でした。

imgミミズクと夜の王
紅玉いつき/磯野宏雄(イラスト)
ISBN:978-4-8402-3715-4
電撃文庫(2007.02)
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