横柄巫女と宰相陛下 / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

感情を表すことが苦手で周囲の巫女たちから誤解を受けまくっている鉄面皮の見習巫女ノトは、得意の計算を生かし恩人マーサの恩に報いることを目標としていた。ある日、戴冠式のために次期国王のエリオ一行が神殿を訪れる。エリオは兄である宰相カノンに嫉妬しており、国を離れたのをいいことに、ノトへの意趣返しに燃える巫女リリィとともにカノンとノトを罠にはめる。


第2回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門期待賞の作品。感情を表すことが苦手で言葉足らずで鉄面皮の巫女見習ノトと、完璧っぽいクールビューティーな宰相カノンの凸凹コンビが罠にはめられ、聖地の地下で地上に戻るために三つの神殿を巡るという冒険をするが実は……という話。二人の案内役の犬がいいです犬。空気を読まないおじさま犬です。犬。

全体的な印象としては、華はないけど面白かった、というところかな。個人的にはこの着実さがわりとすき。地上の聖地と忘れられた地下の聖地、という部分ではロマンを感じました。廃墟だけど実はというのはとてもロマンです。
主人公コンビがとても(表面上は)低体温なので盛り上がっているの……かな?というところが味なのか欠点なのか。しかし低テンションの中でも、うまく言葉を見つけられずぐるぐるしまくるノトちゃんがかわいかった。何でそこで暴走?というのもあるんですが基本的にかわいかったので何でもいい。そして、次第にノトを理解し、彼女の言葉を翻訳しようとするカノンの優しさも男前でした。最初は基本とても(行動が)男前なので読んでいてとても安心です。

ただ、序盤若干いらーっとしながら読んでいたのも事実。なんというか、敵(?)がバカ間抜けすぎてなぁ(アホとは言いたくない)。今回は敵がお間抜けだから成り立つ話だし、終盤まであんな感じなのであんなものかと思えばあんなものなんですが、もうちょっと手応えのある魅力的な敵ならよかったのにと思ってしまいました。惜しい……。

横柄巫女と宰相陛下
鮎川はぎの/彩織路世
小学館ルルル文庫(2009.05)
ISBN:978-4-09-452106-1
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