茨姫は嘘をつく。 / 本宮ことは

本の感想, 作者名 ま行本宮ことは

晴れて両想いになった相棒とその恋人を二人っきりにしようと、しばらくの間ふたりから離れるために婚礼に向かう花嫁一行を護衛することとしたセルツァだが、どうもその一行の様子がおかしい。あの手この手で一行の様子を探ったセルツァは、当の花嫁自身が花嫁であることを知らないこと、花嫁に付きそう従者の少年が実は少女であることを知るが……

109ページのイラストにちょうもえた。

いいよね、一見不良傭兵(しかもまだ腹を探り合ってる仲)の何とも言えないコンビネーション!と思いながら読んでました(109ページのイラスト周辺)。前作「宝石姫は微笑まない。」のスピンオフ作品で、後日談というかボーナストラック的な一冊。前作では飄々として何ともいい味を出してしていたセルツァが男装少女に出会って、恋をしてしまうというお話。「誰にでも優しい」セルツァの内面が語られ、そしてセルツァに惹かれるティサがかわいくて、こんなお子さまを!と思いながらもティサに惹かれるセルツァが面白くてにやにや。

中盤以降の展開が急というか、もうちょっとじっくりいってほしかったかなぁと思う点もありますが、不良傭兵の腹の探り合いと、いきなり出会ってしまった運命の恋!という一粒で二度おいしいお話で、しかも前作のその後もわかるしと個人的には楽しめたのでよかったです。

img茨姫は嘘をつく。
本宮ことは/くまの柚子
一迅社アイリス文庫(2011.05)
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