鏡の国の眠り姫 / 山本瑤

本の感想, 作者名 や~わ行・他山本瑤

魔王に「命の焔」を奪われたティファニーだが、本人はそのことを知らず周囲が彼女を気遣う様子に違和感を感じる。ティファニーを助けるため、シリンとエディスそれぞれが、命の焔を奪われたものの長生きをしたという伝説の女性にまつわる解決法を模索するが……

あああ、いつまですれ違ってるのこのふたりは!と最後の最後までやきもきでした。

現代アメリカから「鏡の国」の守護者として選ばれたティファニーが、(一見)やるきなし王太子に嫁いで、嫁いでから彼に恋するもののなかなか心は通じ合わず……というシリーズ第5巻。少し前から相思相愛のくせにいつまですれ違ってるんだ!(ニヤニヤ)と読んでおりましたが、今回、いろいろあって、ようやく。しかし、その影で犠牲になったものの大きさを考えると素直に喜べないのも事実かな。ティファニーのライバル・ロゼラインも、シリンのライバル・エディスも個人的に好きなタイプなので、なんといいますか、割にさくっときつい展開になるお話なので、このふたりのにはそれほど辛い展開にはならないでほしいな、と思ってたんだけど。

ちょっとした心の隙から忍び込む「魔」が恐ろしく、まだまだ全く安心できませんが、どう展開していくかちょっと予想できないので続きも楽しみです。

img鏡の国の眠り姫
山本瑤/明咲トウル
集英社コバルト文庫(2011.02)
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