六蓮国物語 王宮の花嫁武官 / 清家未森

本の感想, 作者名 さ行清家未森

太子の護衛武官・結蓮は、職務に忠実すぎて自身の結婚を三度破談にしていた。そんな彼女の元に不意に下された辞令は、封陰省への出向。畑違いの部署への出向に意気消沈する結蓮が向かった先には、上司として四人目の婚約者(候補)が待ちかまえていた。今までの婚約者とは毛色の違う季隆と、ひとまず「協定」を結ぶことにした結蓮は、太子を守るためにここでも職務に励むこととなる。

カクカクヒロインとつかみ所のないヒーローの物語。

中国風な世界を舞台に繰り広げられる、マジメなヒロインとゆるゆる(に見える)ヒーローの凸凹コンビのアクション物語。

物語の始まり、ということで、いろいろ紹介的な部分が多く、ちょっと詰め込み過ぎかなぁと感じてしまいましたが、面白かったです。ただ、他シリーズとは違ってヒーローもヒロインも「秘密」があって背負っているものがありまして……両方とも背負うものがあるとちょっと重たいかなぁと思ってしまったり。身代わりの方の軽さというかなんというかが個人的にはちょうどいいように思います。

が、結蓮と季隆のかみ合わない会話は面白いし、結蓮の太子への愛故の暴走も面白かったりと、安定感があるところはさすが。あの件についてはいつ、どのようにばれるのか!というところが非常に気になりますので、ゆるゆると続きも待ちたいと思います。

img六蓮国物語 王宮の花嫁武官
清家未森/Izumi
角川ビーンズ文庫(2011.10)
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