アイリスの剣1 / 小田マキ
性別を隠し騎士団の副隊長を務めていたが、親の命令でその騎士団をやめ、今度は女としてある有力貴族の当主に嫁ぐことになったブルーデンス。大切な人のために命令を受け入れ間諜として嫁ぐことになるが、嫁ぎ先が元上司のフォーサイスである上に、フォーサイスの仕事仲間であった時とはまるで違う冷酷な対応にブルーデンスは……
こ、これは……!(大層好みでした)
「親の命令で男装して騎士団の副隊長を務めていたけど、家の事情で無理やり仕事をやめさせられて、今度は元上司の隊長の元に嫁がされることになる。当の隊長は政敵からの輿入れかつ信頼していた部下に瓜二つの「妹」がやってきた上、その元部下が突如行方不明となったことに不信を覚えて婚約者に冷たい態度を取ってしまう」
とこのあらすじだけでご飯5杯は軽い、そんな私好みのお話でした。男装モノとはちょっと違うんですが、いやでも「密かに想っていた相手に正体を隠して嫁いだけど」というこの基礎が!基礎が!
ブルーデンスサイドとフォーサイスサイドで同じ出来事が重ねて語られたり、過去の思い出が挿入されたりでちょっとあっちこっちいく上に、この舞台となる世界の設定がわかったようなわからないような、なんとも中途半端な状況で、全体的に読みにくいかなぁという部分はありましたが、上記の根本となる部分が非常に好みなので問題ありません。
このデレる気配の全くないフォーサイスがどう転がるのか、圧迫されすぎのブルーデンスは幸せになれるのか、騎士団の人たちはきっと楽しい人ばっかりと思うんですが活躍の場はあるかなど続きも楽しみです。