英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!? / 久賀理世
結婚までの僅かな期間、性別と身分を偽り新聞記者見習いとしてアクロイド・デイリー・ニュース社で働くセシルは、自社の新聞広告が最近世間を騒がす怪盗に関係しているのではないかと目星をつける。相棒の絵師ジュリアンと共に謎の解明に乗り出したセシルは……
アメリア様が素敵だ……!
シリーズ2冊めは、最近はやりの怪盗事件にセシルとジュリアンが挑むお話。前巻に引き続き、1冊の中で3つのお話が展開されますが、それが思いもかけず綺麗につながっていったときは素直に感心しました。こういう「実は」という展開は、読んでいて気持ちいいので好きです。
徐々に距離が縮まっていくセシルとジュリアンも良かったのですが、セシルに新しくできた「お嬢様仲間」が心強く、こういう女の子の絆も好きなので楽しめました。ジュリアンとの結婚が発表されたくらいに彼女がギャフンというのではないか、という所あたりが妄想できて楽しいです。よいわぁ。
「気づかぬのは本人ばかり」の展開まっしぐらで、「男装記者」していることがいろんな人にバレバレですが、バレバレな周囲がハラハラして見守っているところも面白いですね。あと、ジュリアンとセシル兄の反省会も楽しいし、セシルの兄弟は言うに及ばず。続きも楽しみです。
英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!?
久賀理世/あき
集英社コバルト文庫(2012.06)
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