王女の遺言 2 ガーランド王国秘話 / 久賀理世

本の感想, お気に入り, 作者名 か行久賀理世

同盟国への輿入れ中に命を狙われ、いろいろあって娼館に売り飛ばされたところを同じ境遇の少女たちとともに逃げ出した王女アレクシアだが、他の少女たちを逃がすためにアレクシアは再び捕まってしまう。そんな彼女を助けたのは、アレクシアとそっくりの女優ディアナの劇団仲間のリーランド。アレクシアはディアナを助けたつもりのリーランドとともにディアナと合流することを目指すことになる。
一方、一命をとりとめたアレクシアの護衛ガイウスは「アレクシア」の元に戻るが、アレクシアの身代わりをしているディアナを偽物と見抜く。ガイウスはアレクシアの命を狙った黒幕を探りながら「アレクシア」の護衛としての任務に引き続き当たることになった。

一難去ってまた一難だけど近付くことは近付いてるので……

全4巻シリーズの2冊目。アレクシアサイドが1巻目の終盤でうまくいくと見せかけて最後の最後で落とすという鬼畜仕様になんでですか!と悲鳴を上げながら読んでおりましたがそこからの巻き返しがスカッとする展開で良いものでしたね……。「普通の女の子」たちの奮闘も好きなんですが、一癖も二癖もある心強い味方を得てからの逃走劇の盛り上がりはやはり鉄板ですねぇ。

ディアナサイドはガイウスが合流して本格的にアレクシアの行方を探す段階に入っていますが、こちらは鬱々とする宮廷陰謀模様が繰り広げられて一進一退。黒幕はまああそこらへんだろうなというのがはっきりしたんですが、アレクシア兄の関与具合などもまだまだ不確定要素が多く、複数の人が複数の思惑に乗っかってるような状態かもしれず「真の敵」のようなポジションが誰なのかは今のところまだ確定はしていないようなので引き続き気になるところ。

アレクシア、ディアナともに絶体絶命の状況は脱した2巻ではあったので、ここからうまく二人が合流してほしいなーと続きも楽しみです。

王女の遺言 2 ガーランド王国秘話
久賀理世/ねぎしきょうこ
集英社オレンジ文庫(2021.05)
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