誓約のエフェメラ 悪魔伯爵と焔の乙女 / 朝戸麻央

本の感想, 作者名 あ行朝戸麻央

下町で化物に襲われているところを青年伯爵アーベルトに助けられたリゼルは、諸事情でアーベルトに守ってもらう代わりに、彼の屋敷で働くことになる。暇つぶしから様々な事件に首を突っ込むアーベルトの助手としての使命も受けたリゼルは、連続猟奇殺人事件の真相を探るために育った街に向かうが……

暇を持て余す悪魔伯爵と下町育ちの少女のアレコレ、楽しかった~!

ビーンズ文庫でデビュー作が出て以来しばらくぶりの発刊となった作者さんの新作 [1]ビーンズのあれは、なんというか、仕方なかったかなぁ……話は面白かったんですがターゲットを間違っているとしか思えないイラストが(略)。とある理由から暇を持て余し、人間に関わろうとする「悪魔伯爵」と、悪魔伯爵の庇護を受けることになった少女のちょっとホラーなラブファンタジーとのことでしたが、あんまりラブはなかったかな。どちらかと言うと「保護者と被保護者」(そのうち発展するかも!)という雰囲気のお話でした。ノリはマイ・フェア・レディだった(し、後書きにもそう書いてあった!)。

伯爵の友人の警部さんと伯爵の友情なんかもちょっとツボだったし、リゼルの教育係のローレがリゼルとかかわるうちにちょっとずつ人らしくなっていくのも個人的に好きだし、何よりアーベルトを「退屈させない」と言い切ったリゼルの思い切りの良さが好き。リゼルとアーベルトの凸凹コンビの怪奇事件簿として、続きも読みたいなぁ。

誓約のエフェメラ 悪魔伯爵と焔の乙女
朝戸麻央/鳴海ゆき
一迅社アイリス文庫(2012.08)
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References

1 ビーンズのあれは、なんというか、仕方なかったかなぁ……話は面白かったんですがターゲットを間違っているとしか思えないイラストが(略)