宝塚-宙組 / 風と共に去りぬ

素人の観劇日記宝塚, 宙組

宙組の大劇場公演「風と共に去りぬ」(バトラー編)を見てきました。
宝塚の風と共に去りぬは映像で見たことはあるのですが生で見るのは初めてで、どんなお話かなぁ、でも宝塚の伝統芸能な演目だしなぁ(ベルばらのトラウマ)、と思いながらの挑戦だったのですが、これが思ったよりも面白くて思わぬ誤算でした。

※わたし、(宝塚がどうこうという問題は置いておいて)この話自体があんまり好きではないのでわりと適当に好き勝手書いていますすいません。
※じゃあなんで見に行ったって?それは大劇場で公演があったから!


今回の作品は役代わりありの公演とのことで、朝夏さんがスカーレットの配役を観劇しました。普段は男役なのでがっちり補正が入ったお衣装のためか、がっちりタイプなのかなぁと思っていたのですが、なんて華奢なんでしょう……!思わず普段は凝視できない首もと等を凝視してしまいました……やめられないとまらない。
対する主役のバトラーさんは、こう、「悪ぶっている」というか「粗野」な役柄であると思うのですが、凰稀さんの持ち味がノーブルなので、どこかしことなく感じる上品さ(笑)。かっこいいんだけどなぁ……!
スカーレットが追いかけ回しているアシュレイさんも、こう、ぽややんというか雲の上というか、こう、なんかはっきりせんなー!とイライラするタイプなのですが(私にとっては)、悠未さんのおかげか頼りのあるアニキに見えて。目の錯覚か。そしてその奥さんでスカーレットの従妹のメラニーがとにかくすごい。聖女というか聖人というかで後光が見えました。主役二人がアチャーな感じなので、もうほんとうにこの人が唯一の癒しだったような気がします。

面白かったのは、スカーレットの心の声の「スカーレット2」というので。この二人のやりとりがある種ギャグ。ギャグマンガでよくある手法(肩の上に心の声を発するミニキャラをのせてて、本人にしか見えない……とかそういう漫画を読んだことがある気がする)のように思えて、そしてそう思うとこの二人のやりとりが大まじめなのにちょっと面白くて。二人とも衣装がキラキラしてて白いドレス等で二人並ぶとすっごく華やかで見栄えするなぁ、と思いましたが、しかし……。
スカーレットの影以外にも、本気で笑いを取りに来ているシーンや、物語のけっこう大事なところの「階段の仕掛け」がとある新喜劇の一場面につながって、それが頭から離れなくて困ったりと、シリアスなのにコメディなのか、と一瞬本気で悩みました。……でも、グランドロマン……。いや確かに大河なドラマではあったけど、なんだろうこの消化不良感。これはただ私がこの話自体をあまり好きでないというかむしろきらいな方というのが問題なのかなぁ [1]本は読んでないけど映画は見たことがあって、名作だから一度はみとくかと思ったけど、最後まで見届けるのに相当な精神力を要した。ツンデレ(スカーレット)と若干ツンデレの気配がある人(バトラーさん。中盤以降はでれでれだけど)が本気でケンカをすると、両方ともある時点でちゃんと折れないと最後はひどいことになるよ!という話の見本のような気がしました。いやー、スカーレットはないわぁ……。ないわぁと思いつつも、バトラー編だとスカーレットがただの勘違いでバカな女でおわってしまっているので、これはスカーレット編をみて最後に「捨てられても私は力強く生きていくのよっ!」っていう最後を見たいかも知れない。だって、スカーレットはぶつくさ文句を言いながらもアトランタからメラニー連れ出したときはすごく頼りがいがあったし、タラにもどってからもみんなを支えるために孤軍奮闘してたし、ほんとうはやればできる女のはず。

娘役さんの衣装はきれいできらびやかで華やかで見応えがあったし、フィナーレは短いものの(もっと長くてもいいのよ!と思いました)見所たくさんだったしで、総じては「アリ」な公演ではあったのですが、いかんせん主役ふたりの抜き身のナイフでのやりとりが見ていて辛いので、いろいろと、つらかった、です……。

References

1 本は読んでないけど映画は見たことがあって、名作だから一度はみとくかと思ったけど、最後まで見届けるのに相当な精神力を要した