鬼舞 見習い陰陽師と応天門の変 / 瀬川貴次

本の感想, 作者名 さ行瀬川貴次

藤原摂関家を追い落とそうとする陰謀が進む中、雲隠れしていた晴明も大納言の姫君の護衛のために戻ってくる。一方、先日の帝と中宮の行幸中に帝と「運命の出会い」を果たしてしまった「冬路」(道冬)は、中宮の要請により冬路として内裏に通うことになってしまう。そんな中、中宮の父である関白の様子がおかしいという情報を得た光栄は、関白の応天門での奇行を目撃する。

だ、だから、冬路は……(違う方面に目覚めそうだ)。

鬼の一味・呪天の陰謀編クライマックスちょっと前の一冊。今回も前回に引き続き、「冬路」ちゃんが陰陽師見習い仲間、内裏の皆様、帝といろんな方にもてもてでその辺りがとても楽しかったので、こう、中身は道冬とは分かっているものの違う方面に目覚めそうになりました。いや、私のポジションは冬路ちゃんをモデルに執筆活動をする宣旨さんポジションだと思うんだけど(笑)。このシリーズ、ヒロインは畳と思っていたんですが、真のヒロインはまさかの冬路ちゃんなのかもしれません。
あとはお兄ちゃんが、ね……吉平と吉昌は、こう、なんというか反抗期の弟が本当にかわいい兄弟だなぁと思います美味しい。そして、河原院での生活にすっかり馴染んでいる右近少将様も色々と美味しいです。

それはさておき、呪天が仕掛けた包囲網もだんだん狭まってきました。呪天が藤原家に恨みを抱く理由も語られ、さあ次で決着だというところでしょうか。続きも楽しみ。

鬼舞 見習い陰陽師と応天門の変
瀬川貴次/星野和夏子
集英社コバルト文庫(2013.11)
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