男装騎士の憂鬱な任務2 / さき

本の感想, お気に入り, 作者名 さ行さき

男装して騎士「オディール」として大国ヴィクトルに婿入り予定の主君クルドアに仕えるオデット。オデットとクルドアの秘密を共有する相棒フィスターにも恵まれ充実した日々を過ごしていたオデットだが、同僚の騎士との売り言葉に買い言葉で、故郷の「オデット」を紹介しなければならなくなってしまう。さらにオデットとしてヴィクトルに滞在中、ヴィクトルの国宝が盗まれるという事件が発生してしまい……

今回も面白かった!フィスターの挙動不審ぶりが秀逸。

女性が騎士として認められない国に婿入り予定の主君のために男装して騎士を続ける脳筋オデットのお話、シリーズ2冊目。今回の任務(というか自分で掘った墓穴)は、オディールの「妹」としてヴィクトルに滞在することなんですが、最初はちゃんと猫をかぶっていたのに、事件の解決への奔走を始めてから一瞬で猫がはがれて、なんやかんやと猫を被ってないオデットがみんなとワイワイしているのが楽しかったです。そして、楽しかったといえばフィスターを焚きつけるクルドア様に、焚き付けられて変な方向に進むフィスターさんが面白かったです。クルドア様、幼いのに策士……!

あー、続きも楽しみ!と思っているんですが、BOOKWALKERに完結と書いてあって(2016年6月時点)、それはちょっとまって!という気分です。だって、最後までちゃんとやってほしいんだもん……。
でも、あとがきによると、次作は完結したとあった前作アルバート家かも、と書いてあるのでもしかしたらもしかするかなぁ、とそこはかとなく期待しておこうと思います。

男装騎士の憂鬱な任務2
さき/松本テマリ
角川ビーンズ文庫(2016.06)
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