ベアトリス、お前は廃墟を統べる深紅の女王 / 仲村つばき

本の感想, お気に入り, 作者名 な行仲村つばき

王位を認められなかった王女の遺児ジュスト・バルバが率いる赤の王冠がイルバスに戦乱を引き起こそうとしている中、三王の従姉で愛のために王位を捨てた元王女カミラがイルバスに帰ってきた。戦場で行方不明になる長兄アルバート、ニカヤから動けないベアトリス、そして原因不明の病に襲われるサミュエルと三王の身動きが取れなくなる中、カミラは状況を打開しようと行動を開始する。

とても面白い最終巻だったのですが、これまたなんという……

シリーズ最終巻は前世代の禍根にも決着がつく納得のエンディングだったのですが、すごい展開でした。知ってるはずだった……前世代シリーズもわりと殺伐展開が続いていた……でもこの三きょうだいの物語はお兄ちゃんの空振り唯我独尊的なところとかいろいろとくすっと笑えるところが多かったので、設定はハードだけど大丈夫かなーって思ってた……、と、本巻第一部の「調停者カミラ、お前は廃墟を捨てた眷恋の王女」を読み終わって呆然としてしまい、タイトル作でもある第二部を読むのに三週間くらい間が空いてしまった次第です。本当になんて容赦のない展開なんですか。赤の王冠の仕掛ける陰謀は胸糞の悪いものの連続だし、鬱々とするなー(面白いんだけど)というところで強烈な女傑感のあるカミラさんの無双振りがちょっと楽しいと思ってた矢先のこの仕打ち、つらい。

とはいうものの、このシリーズはどん底の状態でも希望はある、という鬱々としたままで終わることはないという安心感はあるので、第二部も(おそらく読者も鬱々状態に陥っているであろう序盤を乗り越えて)中盤以降に王たちの反撃が始まってからは、そうそうこのどん底からの大逆転がいいんだよ!という楽しみはあったのですが。いやそれにしても衝撃だった……面白かったけど。

極寒の国で紡がれる世代を超えた物語、つらい展開もあったのですが全体としてはすごく面白かったのでシリーズを完走できてよかったです。

ベアトリス、お前は廃墟を統べる深紅の女王
仲村つばき/藤ヶ咲
集英社オレンジ文庫(2023.04)
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