宝石商リチャード氏の謎鑑定 紅宝石の女王と裏切りの海 / 辻村七子

本の感想, お気に入り, 作者名 た行辻村七子

リチャードの師匠・シャウルのスリランカの宝石店で大学卒業後にインターンとして宝石商見習いを始めた中田正義は、シャウルに放置されながら、店番かつ自習の日々を送っていた。そんな正義のもとに、リチャードの「兄」ジェフリーからと思われるメールでリチャードを助けるようにという依頼が航空券と豪華客船の乗船券とともに届けられる。

中田正義はやっぱり中田正義だった。

超絶美形言語オタク・リチャード氏と、リチャードのお店の元バイトで今インターンの中田正義くんが宝石絡みのトラブルに巻き込まれるお話第二部の開幕編。第一部は主に銀座を舞台にした連作短編形式だったのですが、第二部からは日本国外がメイン(っぽい気がする)に、長編一本という形式に移行したようです。形式が変わろうとも面白さは相変わらずでよいものでした。そして中田正義はやっぱり中田正義でした(結論)。

今回は中田正義(フルネーム以外で呼べない)が豪華客船で行われるジュエリー・ショーで宝石窃盗の容疑をかけられる、という事件なのですが、もうこのリチャードさんと中田正義さんの信頼関係というかなんというかが、いいというか暑いというかもうなんだよこいつら恥ずかしくて直視できないというかで、いいものでした。ひょいひょいとアレなところをすり抜けていくリチャードと、それを本気で怒る中田正義さんとのこの対比もいいなぁ、とかリチャードの以前の同僚と中田正義さんの対比がいいなぁ、とか、こう、事件の顛末と解決もよかったんだけど、それ以上に色々とふんわりと「いいなぁ」と思えるところがこのシリーズの(個人的な)醍醐味です。私、バディもの結構好きなんですよね……これ、バディものといえばバディものだと思ってるんで!

あと前巻同様、物語の最初と最後のくすっと笑える対比も楽しかった!続きも早々に読まねばなりません。

宝石商リチャード氏の謎鑑定 紅宝石の女王と裏切りの海
辻村七子/雪広うたこ
集英社オレンジ文庫(2018.06)
amazon/honto/BOOKWALKER