作家令嬢は舞踏会でロマンスを綴る 作家令嬢と書庫の姫~オルタンシア王国ロマンス~(1) / 春奈恵

本の感想, お気に入り, 作者名 は行春奈恵

享楽的での暢気な父母兄から距離を置くために、従兄の紹介で王女付きの女官として働き始めることになったアニアの最初の仕事は、書庫に閉じこもっている王女リザを引きずり出し、近日中に王宮で行われるリザと婚約者の顔合わせのための舞踏会の準備を始めることだった。趣味で書き溜めていた物語をエサにリザを書庫から出し、リザに気に入られたアリアはリザの友人として仕えることになった。

ロマンス<<(越えられない壁)<<女の子のバディもの、な雰囲気(現状)で楽しかった~

借金にまみれて家計が火の車の実家で一発逆転(金銭的に)のための結婚をさせられそうなので時間稼ぎのために王宮に働きに出ることになった伯爵令嬢アナスタジア(アニア)が、変わり者と名高い王女様エリザベト(リザ)の下でトラブルに巻き込まれたり巻き込んだりするお話の1冊目。既刊4巻で完結済みです。
アニアが現実逃避のために書き溜めていた物語が妙にできがよく、文才があるという以上の「何か」についてはこの巻で少し明かされていますが、真相といいますか、本当のところはまだ秘密のまま。そんな中、アニアの本人が気付いていない秘密やリザの機転により、リザの婚約者にまつわるトラブルを乗り越えていくんですが、主役二人以外の周囲(アニアの従兄、リザの兄、そしてリザの父母である国王や王妃)との軽快なやり取りが楽しく、そして頼もしくてよかったです。

いい感じの宮廷陰謀もの(不思議要素もちょっとあるけどメインではない、いやでもメインかな……?)で、ロマンスと書いているわりにはロマンス?そういえばロマンスが副題に入ってますねこのシリーズ……と最後の方にそんな感じの展開があって、このロマンス感のあっさりさというかさっぱり感がいい感じのお話だなーと思いました。まだまだ序盤なのであっさりだったかもなんですが、このシリーズの主題はアリアとリザの女の子のバディのような気もしてますのでバディ主題で行くのであればそれはそれで大好物なのでどんとこいです!いやでも最後の方にちらっと出てきたロマンスもニヤニヤできる牛歩展開が期待できる気がしてますので今後も期待しております。

作家令嬢は舞踏会でロマンスを綴る 作家令嬢と書庫の姫~オルタンシア王国ロマンス~(1)
春奈恵/雲屋ゆきお
ウィングス文庫(2021.10)
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