作家令嬢のロマンスは王宮に咲き誇る 作家令嬢と書庫の姫~オルタンシア王国ロマンス~(4) / 春奈恵

本の感想, お気に入り, 作者名 は行春奈恵

リザが他国へ嫁がず国内で降嫁することが決まり、リザへの求婚合戦が始まり、まだ相手の決まっていない王太子リシャールの婚姻問題と合わせて年頃の貴公子や令嬢たちの最大の関心事になっていた。さらに、アニアの高齢の親族が引退を申し入れ、その称号を誰かに引き継がせたいという話も出ており、その対象として遠い親戚であるアニアやティムも上がっており、リザとリシャールに近いアニアとティムの周りが騒がしくなっていた。

大団円!

タイトル通りアニアとリザのロマンスが咲き誇っていた最終巻でした。もうこれ以上ないといっていいくらいの大団円で(ロマンス的に)、さらにすっかり存在を忘れていた初期の悪役の問題にも最終的に片が付いて、憂いなくエンディングを迎えたシリーズで文句のつけようもない最終巻です。王宮陰謀といいますか、政争関連は遠い親戚関係に起因する王位争いなどが絡んできて、何となく読んでいると「どうつながってたんだっけ?」と何回か考えてしまったので、登場人物紹介とか最後のおまけとかに家系図みたいなものがあればなおよかったですね……[1]きちんと読むとそれほどややこしくない。のほほんと読むから考え込む

リザ関連は序盤に決着がつくのですが、アニア関係はこれぞ最終巻の盛り上がりという展開で非常にようございました。もうあの「これがロマンスに発展するの?」と疑問符を浮かべまくっていた第1巻からは想像もつかないくらいちゃんとロマンスで看板に偽りなし。ついでに言うと、王族三きょうだいの中で、最後まで何となく変な人ポジションをキープして我が道を生き続けるかと思われていた次兄にも、いいところにゴールインしているのは良い意味で驚きでした。ここまでみんなでハッピーエンドだとは思わなくてよいサプライズでした。

作家令嬢のロマンスは王宮に咲き誇る 作家令嬢と書庫の姫~オルタンシア王国ロマンス~(4)
春奈恵/雲屋ゆきお
新書館ウィングス文庫(2022.4)
amazon/honto/BOOKWALKER

References

1 きちんと読むとそれほどややこしくない。のほほんと読むから考え込む