小説 すずめの戸締り / 新海誠

本の感想, 作者名 さ行新海誠

九州の港町で叔母と暮らす女子高生の鈴芽は、廃墟をさがしている青年・草太と登校中に出会う。草太に請われるまま、廃墟の場所を教えていったんその場で別れた鈴芽だが、草太のことが気になり、彼を追って廃墟に向かい、廃墟の中で不思議な扉を見つける。その扉の近くに落ちていた「石」を鈴芽が拾ったことから、鈴芽の不思議な旅が始まる。

そこはそういう背景だったのかーというところが何点かあって答え合わせみたいだなと思いながら読みました。

先日公開された映画の「すずめの戸締り」の監督作による小説版。こちらは映画に先立ち8月に発売されていたようです。小説を読むと映画の解像度が上がるという話をちらっと見かけて、それなら一度読んでみるかーと手に取った一冊でした。
映画の展開そのままの小説で、新エピソードや追加の登場人物がいるわけでもないため、映画を一度見ていたらサクサクとかなりのスピードで読み進められるのではないかと思います。何しろエピローグまで映画で一瞬見たやつだ!という内容だったので、余すところなく文字で確認でき、答え合わせのような読書となっていました。
ただ、新エピソードがないとはいえ、折々で鈴芽や草太たちの心境が語られ、そういう心情だったんだなー、とか映像で見ると一瞬だったので気付けていなかった描写もあり、これを読んだ後にもう一度映画を見るとまた視点が変わって楽しめそうだなぁとも思いました。例えば、映画の冒頭部分で鈴芽が叔母さんが作ったお弁当をたまに忘れる、というところは、鈴芽がうっかりさんな描写かと思ってしまったんですが、小説だと最初からそういうことなんですか!という理由が提示されていて(映画でも弁当忘れについてはそっちの方向の理由が原因かーとも思い出すポイントはある)、最初からかなり重い展開だったんだなという確認もしてしまいました。

そのうちもう一回映画見に行こうかなー、西の方拠点の私でも鑑賞後若干ダメージがあったのでなかなか踏ん切りがつかない。

小説 すずめの戸締り
新海誠
角川文庫(2022.08)
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