龍ノ国幻想2 天翔る縁 / 三川みり

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行三川みり

次代の皇尊をめぐる争いに勝利し皇位についた日織は、即位を知らしめる宣儀に臨むが、皇尊が笛を吹くことでやってくるはずの龍が来ず儀式は失敗した。そんな中、龍ノ原に反封洲の次の王と目される有間の一行が訪れる。とある理由から有間が自洲に戻ることを宣儀を成功させてからにしたい日織は、有間との交渉で律を破り、有間にとある便宜をもたらすこと約束をする。
そして宣儀のやり直しのために日織の宣儀を妨害した者にたどり着いた日織だが、妻の悠花がさらわれてしまう。

クライマックスは手に汗握るとはこのこと、という熱い展開で盛り上がりました。

シリーズ2冊目。皇尊への即位の儀式は終わったものの、次の儀式に失敗した日織が黒幕を探し、儀式を何とかして成功させようと四苦八苦するというお話。日織と有間の交渉で、日織はまだ甘いなー青いなー有間がだいぶ上手だなーと思わせるところもたくさんあったのですが、今まで日織が置かれていた立場を考えると、ここからの成長が楽しみでもあり、この一冊の中でも図太くなっていくのが頼もしくもありました。

日織が臨んだ二度目の儀式は、話の展開としてうまくいくことはわかっているのですがそれでもなかなかにぎりぎりの状態での進行だったので、これぞ手に汗握る展開だとドキドキしながら読んでました。で、その儀式の関係で。登場人物の造形を確認しながら表紙を見ていたわけではないので、読み終わった後にこの表紙はあの場面か!なんだって!と驚いた次第です。なかなか一気にびっくりする展開に持っていくものですね、と感心しながら読んでいたんですが、読んだ後に表紙を見ると驚き二倍的な。

次は結構いい感じの日織の盟友?になりそうな有間さんがメインのお話らしいので、楽しみです。

龍ノ国幻想2 天翔る縁
三川みり
新潮社NEXT(2021.11)
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