暁と黄昏の狭間IV 甲蛇の書 / 西魚リツコ

本の感想, 作者名 な行西魚リツコ

対魔力を持つ武器を手に入れるため、ギルダン=レイとともに赤い平原に旅立ったセフルであったが、紆余曲折を経て二人は火の神ソーンへの捧げ物になってしまい、『セゲドの鋼』を鍛えるための強制労働を強いられことになる。そして、ヘン=ジャックの魔呪師チョンベルがギルダン=レイへの復讐を目論み暗躍して……


暁と黄昏の狭間第4巻。相変わらずとても容赦がないです。セフルとレイ卿は心安らぐ時間があるんだろうかと本気で心配したくなるくらい容赦がないです。
裏でこそこそと暗躍していた人がついに、とケリードの真意が見えてきたお話。ケリードのもくろみにレイ卿がどうのってくるのかがポイントですよねー、まっすぐなレイ卿がどこまでケリードの目論見を受け入れるかはわかりませんが……。
そして、『セゲドの鋼』と火の神ソーン関係のお話。この世界の「神様」についての謎が深まりました。ただの力の集合体と言い切ってしまうにはなにか怖い存在です。このあたりがとても本格ファンタジーでいろいろ思いを巡らして読むのが正しい姿なのでしょうが、本格ファンタジーを読み慣れていないので字面通りにほほーと読んでおくことにします。

で、まあいろいろあってセフルとレイ卿の絆にごろごろー、レイ卿男前だね!な展開もあり(いろいろ精神的にも肉体的にも辛い展開だっただけにごろごろ度はすばらしく)ニヤニヤする一方で、レイ卿の明日はどっちだ!というような展開で続きが読めませんきっと続きもとても容赦なくてえらいことになるだろうなぁ。

img暁と黄昏の狭間IV 甲蛇の書
西魚リツコ /D-SUZUKI
トクマ・ノベルズEdge(2008.09)
ISBN:978- 4-19-850804-3
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