われら濁流を遡る バンダル・アード=ケナード / 駒崎優

本の感想, 作者名 か行駒崎優

無事仕事を終え、報酬を受けとり街でゆっくり休もうとしたシャリース一行だが、とある些細な面倒ごとに巻き込まれた上に、とある女傑に見込まれて妊婦を護衛するという仕事を引き受けることになる。報酬の額の割に数日で終了するという割のいい仕事であったはずだが、護衛対象をねらった襲撃があるなど一筋縄ではいきそうになく……

花!花!おっさんの中で華麗な花!

どこを見てもおっさんしかいない(後書き参照)のバンダル・アード=ケナードシリーズ最新作にして、シリーズ初の(女性と一緒に行軍したことはありますが……花的意味では初)女性祭が開催された7冊目。今回もいい具合におっさんてんこ盛りで、最後の最後でシャリースが卑怯ですかっとして、心温まる恋の序章もあったりして、そして我らのアイドル・白狼エルディルちゃんが可愛すぎたお話です。

やっぱりこのシリーズ好きだなぁ。派手さはないように思うんですが、しんみりじんわり面白く、すかっと(そして時に切なく)楽しめる。今回のゲストキャラのヴェルマのかっこよさとサリアのかわいさが良かったです。駒崎さんの物語は女性の出現率が非常に低いのですが、出てこられたらだいたいとても強くてかっこいい女性なのでとても好きです。
そして、次もちゃんと予定はあるらしく楽しみです。シャリース自身に色恋が絡むことはまずなさそうですが(なんか私の期待する方向と違う方面でいろいろあるっぽいけど私はそちらには手を出さないので……)、引き続きバンダル・アード=ケナードの活躍が楽しみです。

imgわれら濁流を遡る バンダル・アード=ケナード
駒崎優/ひたき
中央公論新社C-Novels Fantasia(2010.03)
ISBN:978-4-12-50106-6
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