シャーウッド(上下) / 駒崎優

本の感想, 作者名 か行駒崎優

義母との関係が悪化し、家を飛び出したトマスはシャーウッドの森で徒党を組む「無法者」の一団に迎え入れられる。一団には様々な事情を抱えたものがおり、それぞれの得意分野を生かして、森を通りかかる旅人たちを「もてなし」て、その対価を得ることで生計を立てていた。

おっさんたちが生き生きしてる、さすが駒崎さんだなぁという話で面白かったです。

駒崎さんのウィングスノベルズ作品、中世イングランドを舞台に「ロビン・フッド」という特定の人物がいるわけではなく、人々の願望が「ロビン・フッド」という存在を作り上げていったという物語。各章ごとに主人公が変わる群像劇方式の物語で、徐々に様々な人の背景が明かされていくのが楽しかったです。とくに下巻では、え、あんたそんな背景が?と予想外の正体を明かされる人もいて、言われてみれば確かにと思いつつこのあたりのワクワク感も良かったです。

さすが駒崎さん、と思ったのはおっさんと少年と青年がわちゃわちゃとしている様子がすごく楽しそうだったこと(笑)。なんといいますか、派手さはないんですけど楽しいんですよね。あとは、駒崎さんの本領発揮というか、ご自身の卒論のテーマに関連の深い物語だそうで、すごく楽しまれて書いたんだろうなぁということがよく伝わってきました。あとは下巻描き下ろしの彼女。こういうほんのりした始まりを予感させる駒崎さんのお話も好きだなぁ。

ロビン・フッドといえばN○Kの連続アニメ(もうこれ放送されることもないんだろうけど……)やハリウッド映画?でみたことある程度のぬるい知識しかないのですが、若干入り組んでいる当時のイングランドやフランスの背景もするっと理解できてよかったです。まだ私の理解力も捨てたもんじゃない。
あとは、ノッティングガムとかヨークとかリーズとかチェスターの位置関係が体感としてよく分かる今現在で読んで良かったなぁと思いました。結構距離あるでこれ……と思いながら読んでました。

シャーウッド(上)
駒崎優/佐々木久美子
ウィングスノベルズ(2016.10)
amazon/honto/BOOKWALKER

シャーウッド(下)
駒崎優/佐々木久美子
ウィングスノベルズ(2016.10)
amazon/honto/BOOKWALKER