一華後宮料理帖 第二品 / 三川みり

本の感想, 作者名 ま行三川みり

現皇帝の四人の妃嬪の中で、誰が「明来告知」の儀式で皇帝の横に立つかで揺れる後宮。皇帝は妃嬪たちに決めさせることを了承し、その話し合いのために理美と朱西は毎晩妃嬪に夜食を提供することになる。それぞれに事情を抱える妃嬪に話を聞いてまわる理美だが、そんな理美に儀式に必要な宝珠の盗難の嫌疑がかけられる。

たくましい女の人っていいな!と思いました。

日本っぽい国から中国っぽい国の後宮に貢物として献上された理美が、後宮の中で「料理人」として自分の居場所を見つけ、故国で培った料理の腕を武器になんとなく後宮を渡り歩いていくお話(ついてに神獣にも懐かれた!)、第二弾。
今回は後宮の勢力争いというか、後宮の有力者の四妃嬪の裏事情やらなにやらが興味深かったです。四人が四人とも「後宮で栄華を極めたい(極める必要がある)」という人たちではなく、それぞれのスタンスが全然違うので、ここからどうやってきれいに収めるのかな、一人選ぶって無理じゃないか……と思っていたところのあの解決法、皇帝さんの器の大きさを感じました。

そして理美をめぐる朱西とそのお弟子さんのあれこれも、微速前進。個人的には朱西さん一択だと思っていたのですがそうでもないような、いやでもこれ少女小説だよ?という私の少女小説経験値から朱西さんだよなぁと感じる面もあり。続きも楽しみです。

一華後宮料理帖 第二品
三川みり/凪かすみ
角川ビーンズ文庫(2016.11)
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