宝石商リチャード氏の謎鑑定(2~6巻) / 辻村七子

本の感想, 作者名 た行辻村七子

超絶美形で言語オタクのイギリス人リチャードが銀座で営む宝石店で週末バイトを初めた大学生・中田正義は、将来の進路に悩み、就職活動にも取り組みつつ、リチャードのもとで宝石の知識を身に着けて将来の道を模索していた。リチャードの店にはいろんな「宝石」にまつわるトラブルや相談が持ち込まれ、リチャードは宝石に隠された意味や歴史からそれらのトラブルや相談を(図らずながらも)解決していく。

なーかーたーせーいーぎーーーーと思いながら1部を一気に読みました。

感想書いている時点(2019年7月)で既刊8巻(1部6巻、2部2巻で以下続刊)がでているオレンジ文庫、2冊目くらいまで読んで電子の海に積んでいたんですが、先日ふと思い立って1部を一気に読みましたのでその感想。何故か1冊目だけは感想書いてますね……。ということで、本記事は一部の残り(2~6巻)をまとめて、という位置づけです[1]一気に読んだので巻ごとに分けて考えられない

真の意味で「まとめた感想」となると、冒頭に書いた一文で【完】という状況で、もうそれでいいんじゃないかという気もしてるんですが……。中田正義くん(どうしてもフルネームで呼んでしまう)とリチャードの、お、お前ら一体何なんだ……というような相棒感がすごい良いものでした。めちゃくちゃ良いものでした。とにかく良いものでした(大切なことなので3回言いました)。プリンで餌付けされるリチャードがチョロくて可愛かったです。
個人的にはこの二人はBL的な関係では無いとは思っているので、ええええ、そっちいくの?と若干心配になった一瞬もあったりするんですが、あくまで「お話上の」ミスリード的な楽しみ方もあったりして、ある意味で「余地」が残っているのもそれはそれでありなのかなぁと、なんともまとまらない考えを抱えながらの読書ではあります(「ない」とはいえ、実はあったとしても、それはそれでも私は楽しめるだろうな、という立ち位置です)。

お話の山場は4巻目(導きのラピスラズリ)で何も告げずにイギリスに帰ったリチャードを中田正義くんが気合で追いかけるお話と、1部最後の6巻目(転生のタンザナイト)で大層厄介な中田正義・父をリチャードその他協力者がぎゃふんといわせるところで、この2つ(ともちろんその他の話もですが)はとても手に汗握るドキドキの展開でした。楽しかった~。
楽しいといえば、いろいろ紆余曲折があったもののなんとなく仲直りしたリチャードとリチャードの兄(仮)のよい「兄弟」ぶりや、一回だけの登場と思ってたゲストキャラっぽかった人が実は何回もでてきて話を引っ掻き回していくところとかも良かった。これぞシリーズの醍醐味。中田正義くんの天使・谷村さんは想像以上になかなか深いものがあったり、リチャードのお師匠様はいい性格してたりと(リチャードと師匠の出会い編も良いものだった……!)、その他のサブキャラクターもいい味出していて、こちらも楽しかったです。

あとは6巻のプロローグ!騙された!と思ってエピローグを読んだあとにもう一度プロローグを読んで、なるほどなぁ……といろいろ唸った上で第二部がめちゃくちゃ楽しみな一部の締めですごいなぁと思いながら二部は(もうすぐ新刊も出ることですし)遅滞なく(できれば)読んでいきたいと思います。

宝石商リチャード氏の謎鑑定 エメラルドは踊る
辻村七子/雪広うたこ
集英社オレンジ文庫(2016.05)
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宝石商リチャード氏の謎鑑定 天使のアクアマリン
辻村七子/雪広うたこ
集英社オレンジ文庫(2016.11)
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宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ
辻村七子/雪広うたこ
集英社オレンジ文庫(2017.02)
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宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット
辻村七子/雪広うたこ
集英社オレンジ文庫(2017.08)
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宝石商リチャード氏の謎鑑定 転生のタンザナイト
辻村七子/雪広うたこ
集英社オレンジ文庫(2018.01)
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こうやって表紙をならべると眼福~雪広うたこさんのイラストすばらしい~。

References

1 一気に読んだので巻ごとに分けて考えられない