指輪の選んだ婚約者2 恋する騎士と戸惑いの豊穣祭 / 茉雪ゆえ

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行茉雪ゆえ

実家の伯爵領に戻ったアウローラは伯爵領内での一大イベントである豊饒祭の準備に追われていた。そこに独身最後のお忍び旅行という名目で王太子が領地を訪れ、王太子とともにフェリクスもやってくる。王太子の訪問の目的は、最近領地内で報告されている「原始の魔女」を狙う怪しげな団体の調査のためであり、フェリクスがアウローラの護衛につくことになる。

あっまーーーーーーーい(ごちそうさまでした)。

シリーズ2冊目はアウローラの実家が主催する大規模なお祭り(豊饒祭)のドタバタと、原始の魔女に関わる騒動のお話でした。無事婚約したアウローラとフェリクスの熱々ぶりというか、アウローラ以外眼中にないフェリクスの溺愛ぶりがすごかった、とにかくすごかった、すごいとしかいいようがなかった……。どれくらいの甘さかと言うのがうまいこと表現できないんですが、「(特典とかでよくある)おまけSSでなので糖分超増量しました!!!!!」みたいな甘さが終始繰り広げられていました、本編で。

原始の魔女を巡るトラブルというお話だったので、おどろおどろしい組織が暗躍する少々重々しい雰囲気の展開になってしまうのかなぁと思っていたんですが、怪しげな組織は怪しげなもののそれほど重たいものでもなく、悪というものでもなかったのでふんわりと読めました。どちらかというと、事件に巻き込まれたアウローラ救出のためになりふり構わないフェリクス氏の暴走のほうが恐怖の大王感があって怖かったですね……。

HENTAIポジションを確保しつつ、1巻目の登場時からは想像できないようないい位置におちついてしまったフェリクスのライバル兼同僚のユールや、アウローラの護衛騎士かつ幼馴染で物語の中で一番常識人っぽいカイなど、周囲の布陣も充実してきてこちらも楽しくなってきました。続きも楽しみです。

指輪の選んだ婚約者2 恋する騎士と戸惑いの豊穣祭
茉雪ゆえ/鳥飼やすゆき
アイリスNEO(2017.05)
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