パートタイム・ナニー2 / 嬉野君

本の感想, 作者名 あ行嬉野君

天才的な頭脳と驚異的な身体能力、溢れる財力に地位、しかし常識は全くないという「悪魔の尻尾つき」のウェリントン伯爵家バーソロミューお坊ちゃま(通称バブー)の乳母のバイトを始めた剛。いつもながらにバブーに振り回される毎日を送っていた剛だが、ある日剛の家に謎の「貞子似」の女性が現れ、剛に熱烈に迫ってくる。


常識無視の途中で意味が分からなくなる何が起きるか分からないコメディ・パートタイム・ナニーの第2巻。貞子似のお姉さんとなぜかバブーが結婚することになったお話と、バブーの幼なじみであるリスターニャ国王ラルとバブーの全面戦争を描いた作品、そして書き下ろしのお花見短編の全三作収録。

わたし、このさくひんもうなにがおこってもおどろかないよ!

と2作目にして「相も変わらず」と言ってしまいたくなる面白いドタバタでした。バブーがすごい。そしてそれを操る剛もすごい。バブーの両親もなんだか面白かったなぁ。もうちょっと絡んでほしかったのだけど、きっと絡んでしまったらお話に収集がつかなくなるんでしょうね。さすがバブーの両親です。
個人的にはバブーvsラルのお話がお気に入り。ラルの性格はなんだかおかしいなぁと思っていたら、そっちの方向か。いや、こういうタイプの人とバブータイプの人のやりとりはかなり好物なのですが(笑)。一瞬登場のラルの妹・王妹レイラさんも大概の性格のように感じましたが、次出てこないかなぁ、とバブー両親に引き続き期待です(しかし、あまりに濃い人ばかりなので出るとストーリーバランスが崩れそう)。

順調に第3巻にも期待してよいようですので、かなり楽しみです。きっと忘れた頃に出るとは思うのですが……。こういうコメディって普段あんまり読まないから本当に楽しいです。

imgパートタイム・ナニー2
嬉野君/天河藍
新書館ウィングス文庫(2008.07)
ISBN:978-4-403-54127-8
bk1/amazon