暁と黄昏の狭間II 薬王樹の書 / 西魚リツコ

本の感想, 作者名 な行西魚リツコ

魔術大国オラの学都で生命魔術を学ぶこととなったセフルは、ヘン=ジャックの禁呪により謎の頭痛に悩む日々を送っていた。一方、皇太子を守りきれなかった事が理由で辺境の国境警備隊の司令に左遷されたギルダン・レイはとある陰謀に巻き込まれ、追われる身となる。
そして、学都で再会したセフルとギルダン・レイは罪人チョンベルの逃亡を幇助したという濡れ衣を着せられ、追う者と追われる者に別れて「塩の沼」での攻防を繰り広げることになる。


暁と黄昏の狭間第2巻。うわ、おもしろさが加速してる!「一度読みはじめたらやめられない骨太(※私基準)ファンタジー」という文句をつけた帯をつけて書店の棚に並べたいといいますか(なんてわかりにくいたとえなんだ)。とにかく、一度読み始めたらいったいどうなるんだろうと予想もつかない展開の連続で読むのが止められないのです。とりあえず、骨太ファンタジーがお好きな人にはお勧めと呟いておきます。

今回は生命魔術の総本山・オラの首都でのいろんな騒ぎと、ギルダン・レイが追われる話。生命魔術の源である「薬王樹」の秘密も明かされ、いろいろ驚きの展開の連続です。薬王樹を守るサンダーキニ一族の当主の俺様っぷりがセフルとのふれあいによりだんだん雪解けしていくところとか、薬王樹とサンダーキニの関係が明かされる所とか見所もたくさんです。ご当主さまはギルダン・レイをさしおいて表紙になるくらい超重要人物ですよ!ギルダン・レイとどっちがかっこよかったかと聞かれると正直とても悩みます。
そういえば、このシリーズのヒーローとヒロインのつかの間の邂逅も読み応えばっちりですね。1巻・2巻と一緒にいる時間はとても短いのになんやかんやでそれぞれの中の互いの存在が大きくなっていくところなどは丁寧に描写されているのでとてもごちそうさまです。

今回も前回に引き続き結構容赦のない展開でしたが、果たして続きはどうなるのでしょうか?まったくもって予想がつかないので楽しみです。いろいろな困難を乗り越え、少しずつ強くなっていくセフルの今後がとても楽しみです。

img暁と黄昏の狭間II 薬王樹の書
西魚リツコ /D-SUZUKI
トクマ・ノベルズEdge(2008.03)
ISBN:978-4-19-850779-4
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