桜花鬼譚 / 天堂里砂

本の感想, 作者名 た行天堂里砂

山奥の隠れ里でひっそりと暮らす一族の中で、「神子」として敬われる桜弥は、隠れ里と共生する花房郷の花祭り見物に出かけた。そこで出会ったのは「神子」と同じような異能を持つ不思議な薬師で、彼は不吉な言葉を桜弥に残して行く。薬師が桜弥が兄と慕う藤哉の命を狙っていることを知った桜弥は、藤哉を救うために行動を開始する。

本領発揮!(兄弟モノ的に)

前作・前々作で「この兄弟がたまらん」って唸った作者さんの三作目。三作目にして兄弟要素が全面に押し出された作品がついにやってきました!ちょっと胸焼けです!(いい意味で)

正確に言うと、「兄弟」に近い関係ということで真の兄弟ではありませんが、みんなに愛される桜弥が本当に可愛くて。おバカな子ほど可愛いを地でいきます。とても面倒くさい性格の藤哉、苦労性の里長・桐矢、寡黙な頼れるアニキの桂也、伊達男の真路とお兄ちゃんも選びたい放題ですよ!(違
話の本筋自体は、生まれ変わり繰り返される悲劇の鎖を、桜弥がその天真爛漫で一途な熱意で断ち切るといった流れ。過去の悲劇と同じような状況を作り出そうとする謎の薬師が不気味でした。名前がみんな似てて、集中して読まないと誰が誰だか迷いそうになるという、何も考えずに読む私にとって辛い所もありましたが(笑)、総じては桜弥がかわいかったので!良かったです。

あと、小虎が可愛すぎる!いいにゃんこでした。

img桜花鬼譚
天堂里砂/二星天
C-Novels Fantasia(2010.01)
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