花は桜よりも華のごとし 第二幕・月下氷刃 / 河合ゆうみ

本の感想, 作者名 か行河合ゆうみ

蒼馬が若太夫をつとめる柚木座の勧進能に付き添い、嵐山に向かった白火は、嵐山を訪れていた皇族・帯刀に見初められ、連れ去られてしまう。白火の行方を必死に追う蒼馬と日輪座の面々だが、帯刀の持つ権力の前に、白火を助け出すチャンスをつかめなく……

もうちょっとがんばれ蒼馬さん!

男装で能を舞い続ける白火と、白火を愛する若太夫・蒼馬の能ラブストーリー、のはずなのに、二冊目にして蒼馬の影が薄いとは何と言うことだっ!蒼馬のライバル出現でヤキモキ展開か、と思ってたら、思った以上に帯刀が魅力的(……、なのか、あれは魅力的なのか?白火に釣られて改心していく過程は好きです)でした。白火が蒼馬にベタぼれなので最初から勝負にはならなかったのですが、でもあのオチはちょっとびっくりだね。帯刀様、男前だ。

白火を巡る熱い戦いの横で、白火の保護者・朧と矢涼のやりとりにもにやりとしてしまいました。このふたりが好きだなぁ。めっちゃ気になります、うまくいくといいと思います。

……、そして、これ、ちょっぴりせくしぃ路線(豆仕様)っぽいですね。雰囲気のある物語なので違和感はないんだけど、そっちかーと思った次第でした。

img花は桜よりも華のごとし 第二幕・月下氷刃
河合ゆうみ/サカノ景子
角川ビーンズ文庫(2010.12)
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