翡翠の森の精霊師 夢見る竜と男装の乙女 / 瀬川月菜
ニヤニヤが止まらなかった……
性別隠して男装している女の子が、隠れるために女装するという一周回って正しいんだけど!というようなファンタジーで楽しかったです。表紙見た限り、ヴァーツラフさんすごくいい人だけど鈍感そうなので、早く気付け、気づいてよ!という話なのかなぁと思っていたんですけど、かなり初期で気付いらした模様で(なんとなく気付いてるのかなぁと言うような描写だったので、あとで少し読み直したときにニヤニヤが二倍)、逆にキーラに気付かれてるって気付いて!とヤキモキしてしまうような展開でした、ごちそうさま。
キーラは精霊師であるために必死に性別を隠しているものの、本来の性別に戻ってヴァーツラフの家で生活するところの新婚さん(もどき)的なやり取りが楽しかったり、ヴァーツラフとキーラがお互いにが惹かれていく様子が少女小説ってよいっすなというあれこれで……(語彙力がないので困ったらこのフレーズを引っ張り出してくる)。女性の精霊師が認めれれない世界で、精霊師であるものの「女性」ということに負い目を感じているであろうキーラを支えるヴァーツラフさんの男前さとキーラのひたむきさがいいバランスだったなぁと感じました。
いくつかの謎は謎のままなので若干気になるため、できれば続きも読んでみたいんですけど読み切りかなぁ。国王様とか、ヴァーツラフさんのご実家とか多分すごい楽しいと思うんだけど。
翡翠の森の精霊師 夢見る竜と男装の乙女
瀬川月菜/鈴ノ助
一迅社文庫アイリス(2018.07)
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