マリエル・クララックの最愛 / 桃春花

本の感想, 作者名 ま行桃春花

無事シメオンとの婚約を続けることになったマリエルは、セヴラン王子の婚約者探しを手伝うことになる。セヴランがアタックをかける令嬢ミシェルとの婚約準備が内々に進むことになり、二人の仲を取り持つ事になったマリエルだが、ミシェルはどうやら乗り気でないようで……

マリエルに振り回されるシメオンにご愁傷さまとしか言えない。

シリーズ2冊目。萌えの赴くままに突き進むマリエル、そんなマリエルに惚れてる自分を諦めるシメオン、マリエルに的確に突っ込むセヴランというこの三者三様の立ち位置がめちゃくちゃおもしろかったです。あとはリュタンさんとシメオンさんのマリエルをめぐる攻防も面白いなぁ……。マリエルはシメオン一筋なので、リュタンさんはまごうことなき当て馬なんですが、リュタンさんがいることでシメオンさんの独占欲がむき出しになるのが面白いです。

いやいやちょっとまって、マリエルちょっとまって落ち着いて保護者(シメオン)の言うことをちゃんと聞いて……と苦笑いしながら読んでしまう点もあるんですが、シメオンとセヴランが優秀なのでまあ最後はどうにかなるかなという安心感もあってある意味安心して読めるお話でもありました。今回の物語の顛末はまさかあっちの方向ではないだろうな、と思ってたらあっちの方向の結末だったのも感慨深いものがありました。
不遇のセヴラン王子には幸せになってもらいたいのですが、攻略対象がなかなか手強そうなので色々とと大変そうです。

マリエル・クララックの最愛
桃春花/まろ
アイリスNEO(2017.09)
amazon/honto/BOOKWALKER