マリエル・クララックの喝采 / 桃春花

本の感想, 作者名 ま行桃春花

ラグランジュのアンリエット王女の婚約者でラビア大公国の公子リベルトがラグランジュを訪問する。王女の婚約者として完璧なリベルト公子であったが、「リュタンの予告状騒動」や「ラビア公子の想い人騒動」が勃発し、王女と公子の婚約に暗雲が立ちこめてしまう。

「デレない腹黒はいない」、これは真理・・・・・・

マリエル・クララックシリーズの8冊目、何となくその存在(というか存在感?)をにおわせていたリュタンの上司、リベルト公子が満を持しての登場でした。ああこの人絶対腹黒だと最初のシーンで確信し、きっといろいろと画策するけどなんのかんので(シリアスな問題はうまく片づけるものの、柔らかいところは)策士、策におぼれるになるだろうという予感がありましたがそんな感じの展開で大変満足でした。ごちそうさまでした。マリエルとシメオンは通常営業なのでいいとして、やっぱり尻に敷かれ気味なセヴラン王子や、一番王道のヒロインっぽいアンリエット王女のかわいらしさがほほえましかったです。

リュタンとその上司は、少しだけ語られた二人の始まりがなかなかあつく、リュタンがああも飄々としているのはただの照れ隠しだなぁ本当は熱いタイプっぽいしなぁと思わずにやりとしてしまって楽しかったです。こういうギャップは大好物なのでどんとこいです。

今回の事件はラビアにとって大問題ではあるものの、世界情勢という観点からは小振りな事件でもあり、箸休め的なお話かな?とも感じましたが、引き続き続刊も期待しています。

マリエル・クララックの喝采
桃春花/まろ
アイリスNEO(2021.04)
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