図書館内乱 / 有川浩

本の感想, 作者名 あ行有川浩

両親がやってくる-図書隊に就職してから一番の難問が郁の前に立ちはだかった。隊のみんなの協力を得て、戦闘職であることを隠し通そうする郁の奮闘振りは?正論男・小牧を慕う少女の恋の行方は?手塚兄弟の確執とは?情報屋柴崎に近づく謎の男とは?そして、図書隊内部の派閥争いに巻き込まれた郁はどうする?


図書館シリーズ第2巻。うわー、前巻に引き続きツボだ~、ラブコメ~、ツボ~、おもしろい~。各キャラクターに焦点を当てた短編4話と、それまでのお話がつながって郁が絶叫して以下次巻を待ての第5話の構成。

ストーリーとしては、一本ものの前巻の方が盛り上がっていたかもしれませんが、こちらもこちらで、なかなか。戦闘シーンが激減した代わりにラブコメ要素がねぇ、むふふと妙なニヤケ笑いをこらえながらの読書となりました。要所要所での郁と堂上の絡みがたまりません。この、ラブコメ要員めっ!小牧の恋物語も良かったですね。これはコラボ企画の作品も読まなければいけない気になってきました。急接近の手塚と柴崎の関係も若干気になります。なかなかお似合いだと思うんだけどなぁ。そして、あとは玄田と折田のあの短いやりとりがいいですね。あれだけで分かり合えるというのもなんだか素敵です。

ラブコメ要素以外にも、柴崎の狐と狸の化かし合いのような頭脳戦が燃えました。正直な所、前巻では良化法関係にはちょっと釈然としないところがあったんですが、今回の派閥争いは面白かったです。図書館の明日はどっちだ、というサブタイトルにふさわしく、次が気になる幕締めとなりました。郁の絶叫の結果がどうなるかも含め、続きが非常に楽しみです。

img図書館内乱
有川浩/徒花スクモ(イラスト)
メディアワークス(2006.09)
ISBN:4-8402-3562-7
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