彩国物語 白虹は天をめざす / 雪乃紗衣

本の感想, 作者名 や~わ行・他雪乃紗衣

劉輝は邵可、十三姫と共に花を返上した楸瑛を取り戻すためにお忍びで藍州に向かう。その劉輝を追いかけ「藍州を調査する」名目で藍州入りした秀麗は、上司から近寄るなと言われていた縹家の聖地である九彩江に足を踏み入れることになる。


劉輝の自分探しの旅in藍州と楸瑛の落とし前決着編。表紙のごとく楸瑛が大活躍でかっこよかったお話でした。そして、今までうじうじしていた王様も、今回嫁問題を含めようやく腹をくくりました。今まで軽くいなしていた秀麗でさえどきりとさせられる程の決意を表した王様もかっこよかったですね。

劉輝の周囲がかなりきつい状況になっているということが今回はっきりと提示されましたが、予想以上に厳しい状況ですね。一歩一歩着実に、とは言えない状況。有能で頼りになる味方がいるとはいえ、四面楚歌に近いものがあるだけに今後の展開はきつそうです。
一方秀麗関係も大きく前進。彼女が縹家に狙われる理由もはっきりしたところで、今後の縹家の動きもますます活発になっていくのかな。ええ、あの人までもがそうなんですかというところがはっきり示され、秀麗最強伝説に新たな一頁がくわえられ、もういろんな意味で普通の尺度を超えてしまっている彼女ですが、うーん、どんな決着が付くのか予想が付かないだけに、先行きが不安です。
そして、今回また新たにくせ者の新キャラクターが追加される中(イメージとしてはLE○N系のちょい△ルオヤジか、あれ?)、来る人あれば去る人もあり。一般人代表としていろんな意味での癒しを与えてくれていた存在だけにもの悲しいものがありますが、ここら辺が引き際なのかな?ちょっと誰が誰だかよくわからなくなってきたぞ(←読み返さないので)、なので増える一方でないのはよいことですが……

敵方(?)の次のターゲットは絳攸。のっけから酷い状況のスタートとなりそうですが、果たしてどうなることやら。オトコマエ度を上げてきた王様の腕の見せ所かな。

img彩国物語 白虹は天をめざす
雪乃紗衣/由羅カイリ(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2007.09)
ISBN:978-4-04-449914-3
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